氏子植林奉仕~遷宮の森づくりへ~

2012年4月14日平成の大遷宮記念事業『氏子植林奉仕 ~遷宮の森づくりへ~』で行った植林について当時掲載された記事です。引用元http://www.izumooyashiro.or.jp/uzikoshokurin.html(リンク切れ)

 4月14日、平成の大遷宮記念事業『氏子植林奉仕 ~遷宮の森づくりへ~』が、出雲大社の氏子、出雲大社ボーイスカウト団の子供たち、また地元三次市の崇敬者など、約80名の参加により、広島県三次市三良坂の出雲大社所有山林に於いて行われました。
 植林活動に先立ち「清祓式」を執り行い、地元森林組合の担当者より植樹の説明を受け、桧の植林に取り掛かりました。先ず鍬で30㎝~40㎝の穴を掘り、そこへ檜の苗木を植付け、そして土を戻してしっかり踏み固めて肥料を撒くといった手順で一人あたり30本~50本の植付けを行いました。
当日は晴天に恵まれ、20度を超える気温の中、参加者全員が汗を流しながら、未来の遷宮で使用される檜皮を採取するための檜(ひのき)の植林に取り組みました。

 檜皮は伝統的木造建築の最高の屋根材として、古来より社寺をはじめとする重要な建物に用いられてきました。一般的には2尺5寸(約75cm)の長さの檜皮を用いますが、出雲大社では3尺5寸(約105cm)・4尺(約120cm)という長い檜皮も使用しています。これほど長大な檜皮を用いる建物は全国でも類を見ません。
出雲大社御本殿大屋根の面積は約180坪。軒先の檜皮は厚さ約1メートルにも及び、この大屋根には約64万枚という膨大な量の檜皮(ひわだ)が必要となります。
また、遷宮は檜皮を採取する職人や採取した檜皮を拵える職人、屋根を葺く職人など、伝統的建築文化に関る職人の後継者育成と技術の伝承、檜皮を育てる自然環境・文化的環境を整えていく面においても重要な役割を果たしています。
 檜皮を採取するには、胸高で幹の太さが40㎝以上に成長していなければならず、出来るだけ早く成長させるためには立木密度を管理する必要があり、初回桧皮採取目標を100年後と想定し、今後の間伐により1haあたり300本を目安として、総本数600本~900本の檜林にする予定です。
ただし、そこから採取される檜皮の量は3トン~4トン程度と見込まれ、御本殿大屋根全体の1割にも届きません。そのため今後さらに施業地を増やしていくことも視野にいれなければなりませんが、今後はこの事業が、未来のために今何が出来るのか、また桧皮採取のための山林確保の大切さについて、文化財所有者・山林所有者・文化財修理業者、及び一般の方々が考える契機となることを期待しております。

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